
iPhoneが雨で濡れてしまうなんて経験はありませんか?
iPhone7以降の機種には耐水機能が備わっていますが、水の侵入を完全に防いでくれる訳ではなく、ある一定条件下でしか耐水性能を発揮することはできません。また、iPhone7以前の機種は、耐水機能が備わっていないため、水濡れや水没が原因で壊れてしまうリスクは非常に高くなります。
万が一、iPhoneが雨で濡れたり水没させてしまった際は、正しい応急処置をする必要があります。正しい応急処置を行うことで、その後の症状に大きな差がでます。間違った知識で応急処置を行うと、かえってiPhoneが壊れてしまい全てのデータを失うといった最悪な状況にもなりかねません。
そういった状況にならない為にも、正しい応急処置と修理方法、間違った対処方法など、iPhoneが雨で濡れた時や水没に関する知識は持っておいた方が良いでしょう。そこで、今記事ではiPhoneが雨で濡れた時の対処方法について解説していきます。
iPhoneの防水性能について
iPhone7以降のモデルから防塵・防水性能が備わるようになりましたが、注意したいのが「完全防水」ではない点です。iPhoneの防水性能は、一定時間水中に浸かることに耐えられるよう設計されていますが、長い時間水に浸かっていたり、水中で激しく動かすと本体が壊れてしまうこともあります。
手をすべらせて水たまりやトイレに落としてしまったらすぐに拾い上げることができますが、雨で濡れた状態でiPhoneをポケットに入れたままの場合は、気づかなければ数時間は経過しているはずです。その場合、iPhoneの防水性能でも本体内部に雨の水が入り込んでしまっている可能性は非常に高いでしょう。
雨に濡れた時の主な症状
iPhoneは精密機械なので、水濡れや水没によって何らかの不具合が発生することがあります。そこで、ここでは雨に濡れた時や水没によって起きうる不具合の主な症状についてご紹介していきます。
電源が入らない
iPhoneが雨で濡れた時や水没が原因で電源が入らなくなるといった症状は非常に多いです。iPhoneに内蔵されているバッテリーのコネクターが水濡れや水没によってショートしてしまうことによって十分な電力を供給できなくなってしまいます。
また、基板の部品が水没によって錆ついたり腐食してしまうことで電源が入らなくなることもあります。
画面が映らなくなる
iPhoneは水濡れや水没によって画面が映らなくなることがあります。また、画面に水分が入り込んでしまうことで画面操作や液晶表示に問題が生じることもあります。水の中に長時間浸っていた場合に、よく起きる症状です。
カメラに水滴
iPhoneのカメラレンズやカメラ部品の内部に水滴が付いていると、動画や写真に水滴が写るようになります。また、カメラアプリを起動しても画面が真っ暗のままで何も映らないといったケースもあります。
本体の発熱
水濡れや水没したiPhoneは電源が入る状態でも、そのまま使用していると本体が異常に熱くなるという症状もあります。これは、iPhoneの中で電気が正常に流れなくなってしまうことが原因で起きる症状です。
この症状の危険度は非常に高く、あまり高温になると本体のバッテリーが発火する大事故に繋がる危険もあります。症状は突然現れる例もあるので、気づかない内に発熱していて触った際に火傷してしまうこともあるので注意が必要です。
スピーカーの故障
通話や音楽を聴いている際、音に違和感がある場合は水没が原因かもしれません。iPhone内部にあるスピーカーに水分が付着すると、部品が錆びてしまい異音が発生したり音が出なくなることもあります。
iPhoneが雨で濡れた時や水没時の応急処置
ここからはiPhoneが雨で濡れた時や水没時の応急処置について解説していきます。
今回ご紹介する応急処置は特別な道具は使わず、ご家庭でも簡単にできる方法を6ステップで解説していきます。焦らずに落ち着いて下記の手順で処置して下さい。正しい応急処置をすることで、水濡れや水没による被害を最小限に防ぐことができます。
Step1.電源をオフにする
iPhone水没時、まず最初やることは電源をオフにすることです。iPhone水没後にどれくらい電源が入っているかで復旧率が変わります。iPhone水没後に電源が入っていると、水が原因でショートを起こしてしまい、電源が入らなくなったり様々な症状を起こしてしまいます。iPhone水没時は、できるだけ早く電源をオフにして下さい。
Step2.カバー、アクセサリーを外す
iPhoneにカバーなどのアクセサリー類を付けている場合は、水分を拭き取る際に邪魔になってしまうので取り外しておきましょう。カバーやアクセサリー類を付けたままにしておくと隙間などに水分が残ったり、材質によっては水分を含んでしまうので、iPhoneを乾かすのに時間が掛かってしまいます。
Step3.水分をよく拭き取る
カバーやアクセサリーを外したら、iPhoneをタオルやティッシュなどで優しく拭きます。この際、iPhoneを激しく動かさないように注意しましょう。また、充電口やイヤホンジャックの中は水分が残りやすいので、細くしたティッシュなどで念入りに拭き取りましょう。
Step4.SIMカードを抜き取る
SIMカードの挿入口は水分が入り込みやすい箇所なので、可能であればSIMカードを取り出して下さい。取り出したSIMカードは水分を優しく拭きとって、無くさないように大事に保管しておきましょう。SIMカードはデータ通信や電話を使用するのに必要ですが、万が一壊れてしまったら各キャリアショップで手数料を払って再発行することも可能です。
Step5.乾燥させる
iPhoneの表面をしっかり拭き取っても内部に水分が残った状態で電源を入れると故障の原因になります。ジップロックなど密閉できる袋にiPhoneと一緒に乾燥剤を入れて、内部までしっかりと乾燥させます。早くiPhoneを使いたいと焦ってしまうかもしれませんが、最低でも1日以上は乾燥させて下さい。
Step6.応急処置後は修理に出す
正しい応急処置でしっかり乾燥させてもiPhoneが正常に動作しない場合は、修理に出す必要があります。また、正常に起動できていたiPhoneでも一度水没すると次にいつ不具合が起きるか分かりません。近くにiPhone専門の修理屋がある場合は、持ち込んで内部に問題がないか確認してもらいましょう。
iPhoneが雨で濡れた時や水没時にやってはいけないこと
インターネットでiPhoneが雨で濡れた時の応急処置を調べると、間違った対処方法が紹介されていることがあります。間違った対処方法を行ってしまうと、その後に復旧出来なくなってしまう致命的な行為もあるのでご紹介しておきます。ここでご紹介する対処方法は絶対にやらないで下さい。
充電する
iPhone水没時、一番やってはダメなことが充電することです。iPhone水没時にまず初めに電源をオフにする理由と同じで、水が原因でショートを起こしてしまい、電源が入らなくなったり様々な症状を起こしてしまいます。
iPhoneが完全に乾燥するまでは絶対に充電はしないようにしましょう。できれば近くのiPhone専門の修理屋で内部を確認してもらうまでは電源を入れないほうが良いです。
iPhoneを激しく振る
iPhone水没時についやりがちなのが「iPhoneを振る」行為です。iPhone内部に入り込んだ水分を出したいという気持ちは分かりますが、内部で水分が拡散して水分が及んでいなかった箇所まで濡れてしまいます。振ったり傾けたりせず、安静にしておきましょう。
ドライヤーで乾かす
乾かすと言えばドライヤーを思い浮かべる方も多いと思いますが、ドライヤーでiPhoneを乾かすこともNGです。ドライヤーの熱によって基板が壊れてしまうことがあります。
ここでご紹介した間違った対処方法は、ついついやってしまいそうなことばかりですが、iPhoneが雨で濡れた時に起きる故障を悪化させてしまう原因にもなるのでやらないようにしましょう。
雨で濡れたiPhoneを修理に出す方法
今回ご紹介した対処法を試しても症状が改善されない場合は、雨で濡れたことが原因でiPhone本体が壊れてしまった可能性があります。iPhone本体の故障が原因だった場合は、自力での解決は困難ため修理が必要となります。そこで、ここではiPhoneを水濡れや水没によって壊れてしまったときの修理方法について解説していきます。
iPhoneを修理するには、「正規店」と言われるApple StoreやApple正規サービスプロバイダか、「非正規店」と言われるiPhone専門の修理業者に依頼する2つの方法があります。自分に合った修理方法を選択するために、正規店と非正規店のメリット・デメリットについてご紹介します。
Apple StoreやApple正規サービスプロバイダの場合
まず、「正規店」と言われるApple StoreやApple正規サービスプロバイダについて解説していきます。Apple Storeは全国にあるわけではないので、iPhoneが壊れた際ほとんどの方がApple StoreではなくApple正規サービスプロバイダに修理を依頼することになるでしょう。
Apple正規サービスプロバイダは、ヨドバシカメラやカメラのキタムラ、ビックカメラなどに入っていることが多いです。水濡れや水没によって壊れたiPhoneをApple StoreやApple正規サービスプロバイダに修理依頼した場合、修理ではなく「本体交換」という方法で対応されます。
その際、メーカー保証やApple Careなどの保証サービスに加入しているかどうかによって料金が変わります。メーカー保証の期間内で、外的損傷が見られない場合など、過失の無い故障だと認められた場合は、無償で交換してもらえることもありますが、水濡れや水没は保証対象外なので注意が必要です。
また、ここで注意したいのがApple Storeで本体交換を行うと、iPhoneに保存されているデータは全て消去されてしまう点です。普段からバックアップを取っていない場合はデータを全て失ってしまうので注意しましょう。
iPhone専門の修理業者の場合
水濡れや水没によって故障したiPhoneをApple StoreやApple正規サービスプロバイダに修理を依頼した場合、修理ではなく「本体交換」での対応となります。そのため正規店に依頼した場合はデータを失ってしまいますが、データを残したまま修理する方法もあります。それが、iPhone専門の修理業者へ依頼する方法です。
iPhone専門の修理業者の場合、本体交換を行っていない代わりに、壊れた箇所のみを修理する「部品交換」での対応となるため、基本的にデータが消えることはありません。また、修理にかかる費用も本体交換ではなく部品交換なので、比較的安く済むケースが多いです。
更に、修理にかかる時間もその日の内に修理ができるお店が多いので、仕事で忙しいなど時間に余裕のない方でも気軽に利用できる点もメリットと言えます。ただし、一度でも水没してしまったiPhoneは修理後でも時間経過によって症状が再発したり新たな症状が発生することがあります。
iPhone専門の修理業者に修理を依頼する場合は、水没したiPhoneを使い続ける為ではなく、データを取り出す為の修理だと考えて利用するようにしましょう。
事前に対策しておくこと
iPhoneが雨で濡れた時の対処法や修理方法について解説してきましたが、一番良いのはiPhoneを雨で濡らさないことです。iPhoneは一度でも内部に水が入り込むと、復旧したとしても継続して使うことはできません。万が一のこと備えるために対策をしておくことをお勧めします。
そこで、ここではiPhoneの水没対策についてご紹介していきます。
防水ケースに入れる
iPhone専用の完全防水ケースに入れることで水没を防ぐことができます。しかし、どんなに高性能な防水ケースに入れても過信すると水没してしまうこともあるので注意しましょう。
保証サービスに加入する
どんなに対策していてもiPhoneの故障を100%防ぐのは難しいです。予めiPhone購入時にAppleや各キャリアの保証サービスに加入しておくことで、iPhone故障時の修理費用を抑えることができます。
こまめにデータのバックアップを取る
水没対策ではありませんが、いつiPhoneが壊れてしまっても大丈夫なように、常に最新のデータはバックアップしておくことをお勧めします。万が一iPhoneを水没などで壊してしまっても、バックアップがあればデータだけでも守ることができます。
PCに繋いでバックアップを取るのが面倒だという場合は、iCloudの自動バックアップの設定をしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?以上が、iPhoneが雨で濡れた時の対処方法についてでした。iPhoneが水濡れや水没してしまうと様々な不具合が発生してしまうことがあります。お風呂などの水回りではiPhoneを使わないことが一番良いです。水濡れや水没に備えるためにも防水対策を施しておくこともひとつの方法です。
万が一水濡れや水没によって故障してしまった時には、今回の記事を参考に落ち着いて正しい応急処置を行いましょう。