2020年某月、KDDIとソフトバンクはサブブランドであるUQモバイルとワイモバイルで、データ通信量20GBとなると手頃なプランを打ち出してきました。
様子を見ていたドコモが業界を激震させるメインブランドで、20GB/月額2,980円のプランを2021年3月より提供すると発表したのです。
注目を浴びるドコモの新プラン
KDDIやソフトバンクがサブブランドからお手頃なプランが登場した際、サブブランドを持たないドコモがサブブランドを立ち上げるのではないかと噂されていました。
武田総務大臣も初めはKDDIとソフトバンクを評価していたのですが、その後、メインブランドでの20GBプランが登場しないことを猛烈に批判したのです。その様子を見たドコモは、サブブランドの立ち上げではなく新プランahamoの発表になったのです。
ahamoの特徴
最も特徴的なのは、楽天モバイル同様に料金プランが一つだけという点です。これまで提供していたようなギガホやギガホライトのような複雑なプランではありません。
どのようなプランになっているか、チェックしていきましょう。
| 項目 | 詳細 |
| 月額料金 | 2,980円（税抜） ※別途、ユニバーサル料金がかかります。 |
| データ通信量 | 20GB ※超過時は送受信速度最大1Mbpsに制限、1GB/500円で追加可能、テザリングは無料 |
| 通話 | 1回あたり5分以内の通話無料(国内のみ) ※超過時は30秒/20円、かけ放題オプション1,000円/月で提供 |
| ネットワーク | ドコモの4G/5Gネットワーク |
| 事務手数料 | 無料 ※新規契約、機種変更、MNP転出手数料 |
| 受付 | WEBのみ ※ドコモショップやドコモインフォメーションセンターでの受付はなし |
| ポイント | 2年間の定期契約や解約金はなし 個人契約で契約時にはdアカウントが必要 ※法人での契約はなし キャリアメール(@docomo.ne.jp)はなし 支払い方法は口座振替またはクレジットカードのみ 20歳未満は契約不可(親権者が契約することで回避可能) ドコモを利用中ならプラン変更で対応可能 ※2021年5月までMNP手続きが必要 海外82の国々や地域で、20GBまでデータ通信を追加料金なしで利用可能 |
この内容はまるで楽天モバイルが提供しているRakuten UN-LIMIT Vを、ドコモが提供する感じと思ってもいいかもしれません。データ通信量は20GBの制限がありますが、ドコモの4Gと5Gの通信エリアで利用可能というアドバンテージがある以上、楽天モバイル潰しといわれても仕方ありません。
また契約方法がWEBのみとなるため手続きは簡単で迅速にできるのですが、WEBに慣れていない世代の人たちからすると不公平に感じるでしょう。
サブブランドの噂は本当だったかもしれない
すごい破壊力を持ったプランを打ち出してきたドコモですが、ahamoのサービス詳細が掲載されているページのURLがahamobile.jpで、docomo.ne.jpのページでありません。
ahamoはまったく別サイトとして展開していることから、噂されていたサブブランドとしての立ち上げ予定だったことが読み取れます。プランだったらこれまで同様に、ドコモのページ内で詳細を説明すればいいだけで、わざわざ別のドメインを取得してページを公開する必要はないからです。
総務省からお咎めを受けないために、方向転換したのでしょう。かえってそれが功を奏した形になりそうですね。
乗り換えは両社の動向を見てから
さっそくプラン変更やMNPを検討し始めた人もいるかもしれませんが、まずはKDDIが率いるauとUQモバイル、ソフトバンクとワイモバイルの今後の動向をじっくり見てから、行動を起こしても良いのではないでしょうか。
既にソフトバンクでは、ワイモバイルへ乗り換える際に必要だったMNPの手続きがなくなりました。ですが転出料金3,000円はこれまでと変わらず必要なので、敷居が高いといわれてしまいそうです。
まだまだahamoも家族割やドコモ光との割引があるのか、現在販売されているiPhone12シリーズやiPhone SE、iPhone11/11 Pro/11 Pro Maxなど、利用できるデバイスについても不明な点が多く、SIMカードのみの契約があるのかなども現時点ではわかっていません。
そういう理由からいますぐ、乗り換えを検討するのは得策ではないでしょう。
ahamoのサービスがはじまる前までに、KDDIとソフトバンクのどちらが先に行動をするか、それを見極めてからでもドコモにMNPを検討しても良いのではないでしょうか。
Photos：ahamo
