2020年、トランプ大統領はTikTokとWeChatを運営する中国企業との取引を禁止とする大統領令のサインし、iPhoneやiPadなどでダウンロードできなくなることが話題になりました。
これを追従するかのように、あらたに8つのアプリに対してアメリカ企業との取引を禁止する大統領令に、トランプ氏がサインしたことを海外情報メディアMacRumorsが伝えています。なお禁止アプリのリストには、国内でも利用されている方が多いアプリが含まれています。
禁止アプリの一覧
大統領令では、次の8つのアプリが取引禁止となり、App Storeから姿を消すことになります。
- Alipay
- CamScanner
- QQ Wallet
- SHAREit
- Tencent QQ
- VMat
- WeChat Pay
- WPS Office
Alipayは、国内でも家電量販店やコンビニエンスストアのキャッシュレス決済として利用されています。またWPS Officeは、Microsoft Officeとの互換性もあり、インターフェースもわかりやすいことから多くの方が利用されているアプリです。
これらのアプリが大統領令によってApp Storeから姿を消してしまうと、困るユーザも多くなるのではないでしょうか。また前回の大統領令でターゲットとなったTikTokとWe Chatは、利用者が非常に多くiPhoneで利用できなくなれば、iPhoneからAndroidスマートフォンに乗り換えてしまうことが懸念されていました。
特にAppleが力を入れている中国でのiPhoneが、大きくシェアを落とすことになるだけではなく、アメリカ在住の中国系アメリカ人たちのiPhone離れが加速することで、Appleとしても大きな打撃となってしまうのです。
なぜこれら8つのアプリが、取引禁止の対象となったのでしょうか。
大統領令の背景
取引禁止としてリストアップされた8つのアプリは、利用されている人たちの個人情報を収集することができる上、それらを利用することで中国は連邦政府の従業員たちに関する位置の追跡や、個人情報を含む書類をかんたんに作成することができてしまうのです。
なお大統領令は商務省に対して、45日以内に8つのアプリを運営している企業との取引を禁止することを義務付けるもので、トランプ大統領の退任する1月20日までに商務省が行動するだろうといわれています。ただ前回も、実際には発令されずTikTokもWeChatもApp Storeから姿を消すことはありませんでした。
今回のこの騒動も同じように、終わってしまうかもしれません。
Appleとしても、多くのシェアを落とすことになりかねない騒動は、早く終わって欲しいと思っているでしょう。
Source:MacRumors