就寝中に充電していたiPhone XRが出火元と見られる火災により、亡くなられた夫婦の遺族らが製造物責任(PL)法に基づいた裁判を、名古屋地裁に起こしたことが讀賣新聞や朝日新聞から報じられました。
iPhoneやスマートフォンが、本当に充電中に出火することはあるのでしょうか。
iPhone XRの充電中に火災が発生?
2019年秋頃、愛知県に住んでいた夫婦を襲った火災は、2階建の住宅を全焼し2名の尊い命を奪いました。火災実況見分によると、もっとも焼損が激しかった1階部分にはこたつテーブルがあり、その下に純正の充電アダプタに繋がれたままのiPhone XRが落ちていたそうです。
原因判定書では出火原因に「特定できず」と記載されていたようですが、こたつテーブル下に落ちていたiPhoneから出火した可能性があると指摘しています。このことから遺族は2月25日、Appleの日本法人である「Apple Japan」を、iPhone XRが出火原因であるとして訴えを起こしました。
なお同法人は遺族にiPhone XRが出火原因ではないことを説明したそうですが、出火当時、こたつの電源は入っておらず、消防の判定書にもiPhoneの可能性があった記載があることからApple Japanに賠償責任があるとして裁判に至ったのです。
iPhone XRが出火する可能性
iPhoneやスマートフォンから出火する可能性は、全く無いわけではありません。それは搭載されているリチウムイオンバッテリーの劣化や、非純正の充電アダプタを利用したことによるバッテリーへのダメージ、外部からの衝撃が原因で出火することがあるとNITE(独立法人製品評価技術基準機構)からも報告されています。
NITEにあがった事故報告では2013年から2017年の間、リチウムイオンバッテリーによる事故は582件で、しかもそのうち402件の事故は火災に至っています。
また年々、事故件数は増加しているため、非純正や粗悪品の充電アダプタを利用しない、充電に利用しているケーブルは、AppleのMFI認証を取得した製品を利用するなど、ちょっとしたことだけど注意するだけで最悪な事態を回避することができます。
また遺族から、就寝中にiPhoneやスマートフォンを充電することを避け、できるだけ被害に会わないようにと訴えています。心当たりがある方は、すぐにでも対応するようにしましょう。
Source:朝日新聞、読売新聞、NITE(独立法人製品評価技術基準機構)