年々高額になっていくiPhone本体。
本体価格の高騰を抑える秘策としてAppleは、サムスン製OLEDディスプレイの採用をやめて、別メーカー製のOLEDディスプレイを採用するべく動いています。
OLEDディスプレイのサプライヤーが変われば、iPhone12の本体価格がかなり安くなるのではないかといわれているからです。ですが、それもまた夢となってしまったようです。
2019年から注目されていた中国BOE製のOLEDディスプレイ
Appleは密かにOLEDディスプレイのサプライヤーを探していました。iPhoneの製造に必要なパーツ類を1社に頼るのではなく、複数社から供給を受けることで品質を損なわずコストを削減することができるといわれています。
ここでAppleが注目したのが、中国のディスプレイメーカーBOEです。
BOEはすでにMacBook向けのディスプレイも供給しているため、採用される可能性は高いとみられていました。またBOEは積極的に折りたたみ式ディスプレイの開発に力を入れていることも、Appleの戦略と合致したのではないかと思われます。
そんな期待が高かったBOEですが、Appleが行ったOLED品質管理テストに落ちてしまったのです。そのためiPhone12向けのOLEDディスプレイは、従来通りサムスンからの供給となり、供給率は80%近くなるだろうと予想しています。
BOEが不合格となった理由は製造上の欠陥が多く見られ、また歩留まり率も20%と非常に低いことからAppleも見送らざるを得なかったのでしょう。
何故サムスン製OLEDディスプレイではダメなのか
iPhone 11 Pro/11 Pro Maxには、Galaxy Note10と同じサムスン製のOLEDディスプレイが採用され非常に綺麗だと高い評価を得ています。
ではどうしてダメなのでしょうか。
サムスン製のOLEDディスプレイは、スマートフォン業界でも供給量がトップといわれており、世界で発売されているスマートフォン使われているOLEDディスプレイのうち、約90%が同社の製造しているディスプレイといわれています。
こうなるとサムスンが市場を独占している状況となり、価格競争が起こらないためOLEDディスプレイの価格は下がらず、サムスンの思い通りになってしまうのです。
この状況が改善されない以上、iPhoneの価格は下がらないとみて間違いないでしょう。
BOEの狙いは5.4インチのiPhone12?
テストに不合格だったBOEですが諦めてはいません。
iPhone12の中にある5.4インチモデルをターゲットに、品質を改善にしてディスプレイを供給するサプライヤーになることを目指していると海外情報サイトMacRumorsが伝えています。
もしBOEがAppleへのディスプレイ供給サプライヤーに選ばれた場合、iPhone13以降のモデルから価格が少し下がっていくかもしれませんね。
Source:MacRumors