20222月、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始したことで、日々、世界はロシアに対してさまざまな制裁をおこなっています。少なくともAppleも影響を受け、今秋に発売されるiPhoneなどのデバイスに影響が出るかもしれないと、海外情報サイトapple insiderが伝えています。

 

ロシアの軍事侵攻が、Appleや各電子機器メーカーに対して、どのような影響を与えるのでしょうか。

 

世界有数のパラジウム輸出国

ロシアは世界でも有数のパラジウム輸出国で、iPhoneでは電極やコネクタ部分のメッキとして使われていて、約0.015グラムが使用されています。

 

他にもロシアはチタンの生産量はTOPで、Appleも一部のデバイスでシャーシに使われていますが、入手困難になるため、輸入している多くのメーカーは大きなダメージを受けることでしょう。

 

またロシアの航空機に対して各国が自国の領空の飛行禁止を発表したところ、制裁への報復としてロシアもロシア以外の航空機に対してロシア領空の飛行禁止措置を発表しています。これでロシアからの輸入ができなくなり、隣国からの輸入にはコストが大幅にかかるため、これまでの価格を維持することは不可能になります。

 

すでに影響が出ていた!?

アルミニウムはApple製品の多くがケースなどに使用している金属ですが、ロシアのアルミニウム生産率は6%しかないにも関わらず、経済制裁により価格が上昇していると報じられています。また生産に使われるエネルギーですが、ロシアやウクライナからの輸入に頼っている国が多く、エネルギーコストの急騰に対応を迫られています。

 

ただ、電子機器に必要な部品の供給を行っている東ヨーロッパのチップ製造会社は、調達方法の多様化を行ってきたため、特に問題はないと述べています。

 

パソコンのCPUの製造で有名なIntelも、直接的な影響は予想していないと伝えています。なおAppleの大手サプライヤーであるTSMCは、CNBCの質問に対して回答を拒否しました。これはTSMCや台湾のチップメーカーが、ほとんどチップセットの製造でパラジウムを使っていないとロイターが報じたことが起因となっています。

 

ただ、このロシアの軍事侵攻が長引くことで、世界のチップ供給に対して影響を与えることは避けられないでしょう。

 

Appleはロシアでのオンライン販売をすべて停止に

Appleはロシアに対する動きとして、Apple Payの利用禁止、App Storeでロシア製のニュースアプリ「RT News」と「Sputnik News」をロシア国外でダウンロードできないようにしたことや、Apple Map上に表示される交通事故とライブインシデントの両方を無効にしました。

 

また一部の電子機器の販売も、兵器に流用される可能性から輸出も禁じられています。私たちの生活に大きく影を落とすことになるロシアの軍事侵攻。一日も早く平和的な解決に至ることを願っています。

 

 

Sourceapple insider(1)、(2)

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