皆さんは覚えていますでしょうか。Appleが過去に発売していたiPhone6/6 PlusとiPhone6s/6s Plusで、iOS10.2.1にアップデートすると処理速度が低下したり、バッテリーの消耗が早くなったり、パフォーマンスが低下する現象が発生しました。
そのタイミングでバッテリー交換をしたユーザから、低下したパフォーマンスが改善したと報告されていたのです。
このパフォーマンス低下の事象は、AppleがiPhoneの買い替えを促進させるために意図的に仕込んだ悪意のある機能だとして、各国で訴訟問題に発展し話題となりました。
このパフォーマンス低下問題が近年発売されたiPhone11、iPhone12、iPhone8やiPhone XSを、iOS14.5や14.5.1、iOS14.6にアップデートすると、処理速度の低下が確認できたとして、スペイン消費者保護機構(OCU)がAppleに対して改善するように要求したのです。
OCUからAppleに改善要求
スペイン消費者保護機構は、前述したiPhoneを最新のiOSにアップデート後、発生したパフォーマンス低下について、Appleに対して当該モデルを持っているユーザを補償するよう要求しました。
なお、この要求に対してAppleが満足いく対応をしなかった場合、訴訟する用意があると伝えています。ただ今回確認できた事象は、前回のパフォーマンス低下問題と違う点があります。
それは「バッテリーの劣化が引き金になっていない」という点です。発売されて数ヶ月しか経過していないiPhone12でも、パフォーマンス低下現象が確認されていることから、Appleが意図してパフォーマンスを低下させているのではないと考えることができます。
またバッテリーの健康状態も、設定画面にあるバッテリーから確認することができるように改善されています。そこを見れば、確実にバッテリー劣化で発生している現象ではないことを確認できるでしょう。
またiPhone11も発売からもうすぐ2年が経過しますが、バッテリーが劣化している可能性は低いことから、原因はどこにあるのかわかりかねてしまう状況です。なお、バッテリー低下問題はスペイン消費者保護機構以外にも、Altroconsumo、Deco Proteste、Test-Achatsなど、多くの団体も事象を確認しておりAppleを非難しています。
次のiOSメジャーアップデートで解消か
先日リリースされたiOS14.7でいくつかのバグが改善されていることから、もしかするとパフォーマンス低下問題についても修正が入るのではないかと期待された方も少なくないでしょう。
ですが、パフォーマンス低下問題が改善されたという報告が各メディアから伝えられていないことから、修正されていないと考えて間違いないでしょう。そうなると、この問題を解決するには今秋にリリース予定と伝えられているiOS15正式版にアップデートしかないようです。
このまま訴訟問題に発展するのか、いったいどうなるのかAppleの動向に注目が集まりそうです。
Source:9to5mac