Appleは大手サプライヤーであるFoxconnに対して、iPhone14の生産体制を2ヶ月早く稼働できるための準備を始めるように依頼したと、海外情報メディアが伝えています。
2ヶ月早めに稼働することで、この先に起こりうるロックダウンによる影響を受けないための回避策です。
iPhone14の十分な在庫確保
以前お伝えしたようにFoxconnは、5月初旬にiPhone 14の生産に備え、労働力を確保するため新規に人材を雇用し、Appleの要求に答えられる体制を整えようとしていました。
ですが、その翌日には新規雇用を取りやめてしまいました。それは中国で急増した、新型感染症の感染者によるロックダウンが原因でした。
Appleはこのままでは、目標としている十分な在庫数を確保することができないと判断したため、Foxconnに対して鄭州工場での労働力確保を2ヶ月早く開始するように要求したのです。
早期稼働を依頼したAppleの狙い
このような依頼をした背景には、製造に関わる人員の確保と新たなロックダウンによる地域の閉鎖が起きた時に、各サプライチェーンが混乱しないように影響範囲を最小限に抑えることが目的です。
さらにAppleは、iPhone14の発売までに約3,000万台の在庫を確保するには、このままでは達成できないと判断し早期稼働を依頼することにしたのかもしれません。
採用の一環でボーナス支給も
毎年、Foxconnではこの時期に労働力として雇用された人員に対して、5,500人民元(826ドル)が支払われます。このボーナス目当てに、採用に応募する人も多いのではないでしょうか。
なお、FoxconnではAppleからの依頼を、他の工場で受けることで生産数が不確実になるリスクを、鄭州施設に移管して目標値となる台数確保を達成するとのことです。
Appleの新たな施策
Appleの大手サプライヤーは、中国に集中しています。この状況を変えようとしていた矢先、新型感染症の影響を受けてしまいました。
中国以外の地域に主要サプライヤーが持つ工場を点在させ、今回のような状況になっても生産に影響のない体制を作ることがAppleのもう一つの大きな目標となっているようです。
まだまだ時間のかかる体制作りかもしれませんが、iPhoneの生産に影響が出てしまうのは、Appleとしても大きなダメージになりかねません。
Appleの脱中国の動きが、さらに加速する年になりそうですね。
Source:apple insider